【東野圭吾 白夜行】ラスト20ページで心が震えた!被害者の息子と容疑者の娘の20年にも及ぶ人生の物語。
こんにちは!ナイーヴです。
2006年に、山田孝之、綾瀬はるか主演でドラマ化されたこの作品。
当時ドラマは見ておらず、こういったタイトルのドラマが放映されているということだけは知っていた。
それがナニがどうした訳か急に気になりだして、居ても立ってもいられなくなりネットでポチった。
この作品はミステリー小説に分類されるんだけど、ただ単にミステリーだと片付けてしまってはいけないように感じるほどの大作だった。
被害者の息子である「桐原亮司」と容疑者の娘である「西本雪穂」の事件発生からその後19年にも及ぶ人生の物語だった。
二人はまったく別々の人生を歩んでいるように見えて実はそうではなかった。
物語は亮司のパートと雪穂のパート、もしくは第三者のパートで進んでいく。
それぞれのパートで亮司と雪穂は様々な行動を取ったり、様々な出来事が起こるんだけど、物語を読み進めていくと、
「あっ、あの時の行動があの出来事に繋がるのか!」
「えっ、あの出来事ってこういうことが原因だったのか!」
といった感じで点と点が繋がって線になっていく感じがとても心地よかった。
序盤から伏線が張られまくり。
でも結局、その伏線が回収されるのはラスト20ページあたりからとなっている。
それまでは、度々二人の過去に関する記述は出てくるものの、なかなか事件の全貌は明らかにならない。
ページ数854ページという最近読んだ文庫本の中ではナンバーワンの分厚さなんだけど、本当に最後の最後までまったく予想がつかなかった。
登場人物についてもそう。
主人公の亮司と雪穂の心情はまったく描かれていない。
なので二人が何を考えているのか、どう感じているのかがまったくこちらには伝わってこない。
そのせいもあって、この二人には「冷酷」「得体のしれない人」といった印象を持ってしまう。
だが、ラスト20ページで二人の印象はガラッと変わった。
僕はこの物語を読んでいる間、亮司と雪穂いう人物があまり好きにはなれなかった。
二人は何を考えているか分からないし、冷酷だし、人間の感情を持ち合わせてないんじゃないかとさえ思ってしまうような人物像だった。
だが、先にも述べたようにラスト20ページで様々な謎が解けてくると、二人に対する自分の考えを変えざるをえなくなった。
なんか、ラスト20ページで心を揺さぶられた。
この小説は854ページという分厚さのため、最初は
「最後まで読み切れるかな・・・。」という不安を抱かずにはいられなかった。
だが、いざ読み始めてみると、平易な文章でスラスラ読める。
物語も、伏線は序盤からたくさん張られてはいるものの、ややこしくなくすんなりと頭に入ってくる。
ハラハラ・ドキドキする場面は少なく淡々と物語は進んでいく。
だが、二人の人生が気になって気になって仕方がない。
そしてラストには「あっ!」と驚く真相が明らかになる。
そんな小説でした。
東野圭吾さんの小説は、過去に「変身」と「パラレルワールドラブストーリー」を読んだことがある。
だが、どちらかといえば食わず嫌いしていた。
これを気に東野圭吾作品を読んでみようかな。
それでは!